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< 熱、無機系建材 関連の読本 >

楠本 慶二 著

( 2018年11月版 ) 

以下の文章は、ネット、各種の資料、実験の経験(失敗)から学んだ、自分の仕事のための頭の整理用メモです。


人間が、快適と感じるのは夏は、室温25-26℃、湿度60%以下。冬は厚着するので、20℃、湿度60%程度。

普通の人が、気温29℃で室内で普通に活動すると1日3Lの汗をかく。高温下で8時間働くと12Lの汗をかく。

25℃以上、湿度70%以上で熱中症の危険大。 湿度70%以上では汗の蒸発による体の冷却が阻害され、体内温度が上昇して熱中症に。

  寝る前、朝起きた時、食事にはコップ一杯の水を飲む。エアコンが効いた部屋でも汗による水分の減少があるので、日中は1時間に1回程度、コップ半分程度の水を飲むこと。  ポータブル除湿機とエアコンの併用が効果的。

目次>----------------------------------------------------

0 経験に学んだ、自宅で手軽に省エネ、かつ、快適な生活環境をゲットする方法 >

1 熱伝導>

2 輻射熱(放射熱)>

3 熱放射現象>

4 熱対流>

5 太陽光の輻射熱による建物の加熱>

6 金属による光、赤外線の反射>

7 赤外線の発見の経緯>

8 アルミ蒸着シート、アルミ箔(アルミホイル、アルミフォイル)、アルミ薄板(アルミテープ、アルミ箔テープ)の違い>

9 太陽光による輻射熱の実測結果>

10 建物は窓から熱が出入りする、ミラーカーテンの威力>

11 放射式温度計>

12 新聞紙に包まると暖かい訳>

13 石膏(せっこう)、しっくい、石灰(せっかい)、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、カルシウムサイクル>

  石膏ボード(プラスターボード)、炭カル板、ケイカル板、水硬性石灰、気硬性石灰、人造石、長七たたき

14  セメント>

15 天日干しで殺菌できる仕組み>

16 酸化チタンは”直接”、光をあてないと何の効果もない>

17 断熱材、赤外線吸収材、赤外線反射材>

18 水の気化作用のメリット、デメリット>

19 人間を含めて陸の動物は水蒸気に包まれた空間で暮らしている。

20 紫外線

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0  経験で学んだ、自宅で手軽に省エネ、かつ、快適な生活環境をゲットする方法 >

 

 ここでは、家のガラスを、お金をかけて二重ガラスにしたり、遮光フィルムをきっちりと貼りたくないが、手軽に快適な空間を得たいという前提で記述する。

  まずは部屋の現状を正しく認識するために温度、湿度が一度に測定できるミニ時計を購入すること。液晶式で2500円ぐらい。この測定器で、室温24℃、湿度50%ぐらいになるような状態を目指す。

  我が家で実験した結果によると、

優先事項1> 一日中、窓からの赤外線の侵入を阻止する。(=太陽からの赤外線の侵入阻止)

  光は直線性が高く、太陽方向(夏場は上方70度ぐらいの角度から)から強烈な赤外線が来ているので、太陽方向の赤外線(=直射日光)を室内に入れない工夫が大事。夏は太陽高度が高く、多くの人は髪と帽子で赤外線を感じないが、朝晩など、低い太陽高度から顔面などに太陽光が当たると暖かく感じるのは、直接、肌が太陽の赤外線を浴びているから。

効果抜群(猛暑用)> ホームセンターで、屋外レジャー用のアルミつき発泡スチロール製マット(1mx1.8mで1000円)を購入し、居室の窓の内側の大きさにぴったり合うように切って窓の内側に「はめ込む」。銀色部分は室外に向けて、これを2重に重ねること。つまり部屋自体を”保冷バッグ”のようにすると、強力な暑さ対策となる。窓枠にはめ込むことによって、春、秋には簡単に外すことが可能で、強力な防音効果もある。室内が暗くてイヤだという場合は、一部分だけ太陽光が入るようにすると良い。

猛暑以外> 居室のすべてのカーテンをアルミ蒸着フィルム入りのレースカーテン(アルミカーテンとも呼ぶらしい)+遮光カーテンに変更

  実測すると太陽光線で照らされている部分は、10℃ぐらい日陰よりも温度が高い。つまり、赤外線が当たる場所は、赤外線によって 床やカーペットが自発的に温度が上昇する(実際には、赤外線領域の周波数の光エネルギーによって床などの物質の分子振動が励起されて温度が上昇する)ということ。これは寒い朝に、朝日を受けると暖かく感じる(実際に、赤外線によって人間の体の分子が励起されて温度上昇している)のは、実際に温度が上昇するから。

   つ、ま、り、窓から侵入する赤外線を物理的に反射すると室内の温度上昇を妨げる効果がある。よって、まずはホームセンターで、アルミフィルム入りのレースカーテン(アルミカーテン 、物理的には金属製の網、ステンレス製の防虫ネットでもよいが重いし高い。)を購入してきて、部屋のレースカーテンをすべて取り換える事。アルミカーテンは、実質50%ぐらいの部分が 厚膜アルミニウム=鏡状態なので、これで、単純にいうと赤外線入射量が半分になる。

1) 窓からの熱の流入を防ぐ(実測すると、窓ガラス内面から比べると、遮光カーテンの裏側近くの空気は15℃下がっている)と、効果てきめん。アルミ蒸着フィルムは、アルミが鏡の役割を果たし、日光を反射して室内への入射光量(特に赤外線と紫外線を減らす効果が大きい)を減らす。理想は、全面、アルミ蒸着フィルムだが、これだと窓が鏡 状態になるので美観の観点から、蒸着フィルム入りのレースカーテンで見た目は通常の白色。

2)アルミ蒸着カーテンで、部屋への入射光量を大幅に減らした後、遮光カーテンで、外部光(主に可視光領域)の入射量を減らす。

  窓が、一部分でも普通のカーテンだと、そこから熱が侵入するので、やるなら徹底すること。 感覚としては、南面の窓が一番熱くなりそうだが、建築会社の実験データによると、朝日の当たる東面と、西日の当たる西面の壁 (正確にいうと軒下の辺りが、熱気がこもるので一番温度が高い)の温度が一番高くなるので、南面に加えて東面と西面の熱侵入防止が重要。遮光カーテンは光をほとんど通さない(=窓と 遮光カーテンの間に大気の断熱層も出来る)ので室内の冷気を保ちやすいという副次効果もある。

  高性能の遮熱シートを窓に施工すると、ガラスに熱い部分と冷たい部分が発生し「熱割れ」の原因となるので、後付けでガラス面を加工しようというのはやめたほうがよく、数十万円かけて窓自体を交換した方がいい。

優先事項2> エアコンの室外機は、一日中、日陰になるようにする、室外機に傘をかける。(=エアコン室外機の熱交換能力の回復)

  エアコンの室外機の前には物を置かないこと、物を置くと排気温風が室外機の吸気側に逆流して循環するようになり、冷却効率が著しく低下する。また、室外機の後ろも十分に建物から離して効率的に外気を取り入れられるようにする。 また、室外機に、日光(室外機は一日中日陰になっているぐらいでいい)が当たらないように、室外機の上全体に屋根を設置する(傘をかけるのでもいいが、空気の吸入口と排気口は塞がないことが重要)と、エアコンの効きが確実によくなる。

優先事項3> エアコン&室外機の掃除(=エアコン本来の冷却能力の回復)

  エアコン&室外機は掃除できない、専門業者でないと掃除できないと思っていませんか。筆者も、そう思っていたが、近くのホームセンターで、熱交換機部分にスプレーするだけで洗浄できる製品を見かけて、その説明通りに、試しに水をスプレーしたところ、いくら水を吹きかけても、室内に水は垂れてこなかった。これは水がエアコン室内機の除湿用のドレンホースを通じて外に排出されるようになっているからである。室外機の裏面の熱交換機部分は、水を吹きかけると下に流れていくだけである。 もともと室外機は雨ざらしになっても大丈夫なように作られている。これで、熱交換機のフィンについたホコリを除去できて、熱交換効率が回復する。 また、エアコンの室内機のフィルターを、捨ててもいい歯ブラシで徹底的に掃除すること。これは室内空気の循環量に影響し、ホコリによる目詰まりを解消し、取り入れる空気量を増やすことにつながる。

優先事項4> ポータブル除湿機とエアコンの併用(=部屋内湿度の低下による体感温度の低減)

  まずは家の窓を開けて、家の中の暑い空気(&外が、さわやかなら人間から出る湿気も除去したいが、これは外の天候にもよる)を換気する。

  1万5千円程度で購入したポータブル除湿機( コンプレッサー方式が発熱が少なくて、安価でお勧め)で、部屋を除湿すると、室温27℃程度でも、そう暑くなくて快適。除湿機で、ある程度除湿(=部屋の水分の絶対量を下げる)しつつ、除湿機は熱を発生するので、エアコン(冷房モード)も同時につける。

湿度計が60%以下になったら、除湿機は止めると、除湿機からの発熱がなくなる分&湿度が下がった分だけ、冷房が効くようになる。

  湿度が低い場合、人体に直接風があたると体感温度がー2℃下がるそう。人間が快適と感じるのは室温25℃、湿度60%以下。湿度が10%下がると体感温度は1.5℃ぐらい下がるそうで、単純にいうと湿度70%を50%にするだけで、体感的には室温を3℃下げた(室温28℃なら25℃と同じ快適さ)のと同じになる。東京の夏の空気中には、平均すると1m3に約20gの水が含まれているそうで、これは六畳間では500mlの水が含まれており、単純にいうと湿度が半分になるためには、250mlの水を吸収する必要がある。

エアコンは除湿機能もあるが、除湿機とエアコンでは消費電力が違い、エアコンの除湿は冷房よりも電力が必要。

エアコンは冷房モードで、室内の実質温度を26℃とするなら、エアコンの設定は24℃ぐらいか。また部屋の空気が効率よく循環するように扇風機、サーキュレータもつけるが、風が人体に直接、長時間あたると過冷却になるので、人体には直接あたらないように風の方向を少し外すこと。 

参考>サウナの中の湿度は10%程度(高温過ぎて空気中に水を保持する能力が小さく、その結果水分が少ない(肌に直接熱を与える主成分の水蒸気が少ない)ので、サウナが100℃でもヤケドしにくい。)。冬に空気中に含みうる水蒸気が100%を超えると、水蒸気は液体になり、結露する。

優先事項5> 建物に水をまいて物理的に冷却する(=建物温度の上昇を抑制、熱くなった建材が放射する赤外線の流入の抑制)

  一戸建てなら、休日は2時間おきぐらいに「家にホースで水をかけて冷やす」ことも有効で、これは「水で直接冷やす効果」、「水が蒸発する際の気化熱で冷やす効果」、および 「太陽光を吸収した瓦、壁が発熱し、周囲に赤外線を放射する現象(熱くなったコンクリート、黒色、赤色の瓦、黒色の車に近づくと暑さを感じる=赤外線を感じているということ))を抑える三重の効果」が得られる。 2時間おきに建物に対して水をまく(一番効果的なのは熱がこもる軒下部分)ことで、水が乾燥して、水浸しにならず、建物の外壁温度を一定のレベルに保つ。

優先事項6> ベランダ、バルコニーに水をまけ(=ベランダからの窓への伝導熱の流入を抑える、エアコン室外機周辺の温度上昇を抑える) 

ベランダからの熱の侵入> マンションでも、一戸建てでもベランダがある家は多い。ベランダは何もしなければ、特にコンクリートには熱が溜まりやすく、夕立でベランダが濡れることはそうないので、気温40℃ならば50℃-60℃ぐらいにはなっているはず。これは、「 窓の外に50-60℃の熱を発しているストーブ(ベランダ)がある」と考えれば、それに接しているガラス窓の温度も、相当の温度になる(=室内への熱の流入)ことが容易に想像できる。

ベランダに「すのこ」。

  窓に遮熱フィルムを張るという選択肢もあろうが、最近、見た広告では、遮熱フィルムは夏は良いが、冬場の省エネ効果がイマイチで、ニ重ガラスにした方が省エネ効果は、約12倍大きいそうである。しかし、二重ガラスにすると材料代、工賃も高いので、省エネで元が取れるかは考える必要がある。

ベランダにおいたエアコン室外機への影響> ベランダにエアコンの室外機が直置きで設置された家も多いであろう。朝方はエアコンが効くのに、昼から夜にかけて、エアコンが効かないのはなぜか。ずっと疑問に思っていたが、ある日、夏の暑い日にベランダに素足で出てみて理解した。「ベランダの室外機の周辺が熱いから」である。エアコンは室外機では熱を放熱することによって、室内に冷気を送っている。よって、効率的に熱を放熱することが重要なのであるが、室外機周辺が50℃もあると、効率的に放熱できなくなるのである。よって、ベランダ周辺に水をまくことによって温度をさげると、放熱効率が上がり、エアコンの効きが格段によくなる。 朝方、エアコンが効くというのは、「ベランダ周辺が熱くないから」という理由であった。 可能ならばベランダの室外機も、一日中、日陰になるように傘などをかけた方が、エアコンが効く。さらに、池の周りが涼しいように、室外機のとなりに水を張ったバケツをおいておく (ただし、ボウフラが発生しないように、殺菌効果のある10円玉を一枚入れておくこと)と、冷気が漂い、室外機周辺(ベランダ)の温度が下がるという意味で効果的。

優先事項7> 照明を熱の出にくいLEDにする、発熱しにくい扇風機に変更する。 

  いくらエアコンで部屋を冷却しても、人間以外に発熱しているものがあると、温度上昇の原因となっている。例えば、照明は蛍光灯ではなく、発熱の少ないLED式にしたりする。また、意外だが安い扇風機はファンを動かすモーター部分が40℃ぐらいに熱くなっており、これは体温の高い人間が部屋に一人余分にいるのと同じ状態なので、扇風機ではなく、空気清浄器の弱風などで空気を循環させるとよい。

まとめ> 猛暑時期には、窓の内側にアルミ付の保温シートを室内の窓前部に張り付ける。この際、外部からの明かりはあきらめること。部屋の窓全部にアルミ蒸着フィルム入りレースカーテン&遮光カーテンを設置。 室外機は、一日中、日陰にあるように傘をかける。 部屋の湿度が高い場合には、まずは換気して、ポータブル除湿機で除湿し ながらエアコンをかける。 昼間は建物に定期的に水をまく。 エアコンの熱交換機部分を水(又は専用洗剤)でスプレーして洗浄 、空気フィルタは掃除機とハブラシで掃除。の順で対策を行うと非常に効果的。

おまけ> 新聞記事によると、体感温度は、部屋内部の壁の温度に比例し、仮に室温が20℃でも壁面温度が低いと寒く感じる。 冬場にコンクリートの近くで底冷えするのもこの原理。よって、冬場に部屋の中でもガラス面に近い方が体感的に寒く感じる。アルミ製窓枠であるアルミサッシは、木の1000倍熱を通しやすいそうで、海外では熱を通しにくい樹脂サッシが標準であるが、日本では歴史的経緯からアルミサッシが普及している。日本の和室にはガラス戸の内側に、木製の障子戸(しょうじど)が普通、設置されているが、障子戸は、熱を通しにくい木と紙で出来ている上、障子戸とガラス戸の間に空気の断熱層が出来ていることから、冬場でも和室は暖かいということは経験的に分かる。

 

1 熱伝導>

  熱いものに触って熱いと感じるのは、熱伝導(直接的な熱エネルギーの移動)。水が高いところから低いところに必ず移動するように、熱も温度の高いところから低い所に流れる。金属がすぐ熱くなる、すぐに冷めるのは、自由電子が存在するため。自由電子がほとんど存在しないセラミックスなどイオン性物質が熱くなるのは、結晶格子振動(フォノン)のおかげで、暖まりにくい半面、冷えにくい。

< 熱伝導と電気抵抗の関係 >

下記の表では、電気抵抗が小さいほど熱伝導が良くなるのが分かる。

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    材料         熱伝導率( W·m-1·K-1) 電気抵抗率 (nΩ·m) 近赤外(1ミクロン)線吸収率  屈折率

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金属チタン                              21.9 (300 K=27℃)     420  (20 ℃)        0.55

(金属チタンは金属でも熱伝導の悪いことで有名)                                              (55%が光から熱に変わるということ)

金属スズ                 66.8 (300 K)          115 (0 ℃)          0.40

金属アルミニウム                    237 (300 K)          28.2 (20 ℃)         0.13

(アルミホイルで有名)

金属 金                318(300k)         22.14(20℃)         0.05

金属 銅                401(300k)         16.78(20℃)         0.06

金属銀(熱伝導の良い事で有名)  429 (300 K)          15.87 (20 ℃)         0.01

ステンレス                                    0.35(逆にいうと65%は反射するということ)

ダイヤモンド             1000-2000

ニ酸化チタン                             9W        光が 直接当たらない限り絶縁体      0.80

(赤外線反射で有名、光電効果?)    金属チタンシート、フォイル表面を酸化させるという選択肢もある。

酸化亜鉛                                                0.60

アルミナ(酸化アルミニウム)     30                              0.30

シリコーン(高分子、固体状)     0.16

空気                   0.024

ガラス                    1                              0.4

多泡ガラス               0.06

グラスウール             0.05ロックウール

セラミック                  1                             0.40

せっこうボード              0.22                          0.4-0.9

しっくい                  0.69

モルタル                 1.28                            0.5

コンクリート                1.6                           0.65

ALCコンクリート            0.12

グラファイト(カーボン、炭素)    〜165                           0.85

発泡ポリスチレン                    0.028

(食品容器、発泡スチロール)

発泡ポリエチレン(ポリ袋、ラップ)  0.05

ウレタンフォーム           0.028

パナソニック冷蔵庫用真空断熱材シート(S-Vacua)  0.005W

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2 輻射熱(放射熱)>

  冬の寒い朝に、太陽の日差しを浴びて暖かく感じる(実際に服、肌の温度が上昇する)のは輻射熱(ふくしゃ熱、最近は放射熱というらしい 。太陽光線(電磁波の赤外線成分)が、 物質(肌、外壁)の分子、原子振動を直接、励起して、温度を上昇させる。)の影響。

  宇宙空間は、ほとんど真空(=熱を伝える媒体がない)であるのに、太陽から地球、人間、建物が直接加熱されるのは、太陽光線(赤外〜紫外、太陽風、エックス線、等々)の輻射熱の影響 によるもので、輻射によって赤外線波長のエネルギーが(不思議だが)真空空間でも伝わる。太陽から地球まで光が到達するのは約8分半かかるので、朝日で浴びる日差しは、8分半前に、太陽から発生した光ということになる。

また、宇宙空間が-200℃ぐらいなのに地球の温度が-50℃(南極)から50℃(中東)の範囲で収まっているのは、大気、海水による光エネルギー保存による地球温暖化、熱エネルギーの循環、地中での放射性物質による発熱、地球内部の巨大金属コアの回転にともなう発電によるジュール熱のせい。

3 熱放射現象>

  金属や石を暖めると、遠赤外線という光が発生し(人体も赤外線を発しているので、赤外線カメラに写る)、それ以上加熱すると、赤くなるのは赤い可視光線を発光しているから。それ以上温度を上げるとだんだん白い光を発するようになる。低温から高温になるにつれて、光の周波数が短くなっている。スペースシャトルの黒い部分は、特に高温になる場所で、熱エネルギーを光に自然に変換して大気中に放射するとともに、レンガ内部の厚い気体断熱層で機体内部への熱の侵入を遮断している。ちなみに、灰色部分は、高温+マッハ25に及ぶ空気抵抗で変形する部分(レンガは脆いのでもたない)なのでカーボン・カーボンコンポジット(炭素繊維強化炭素複合材料、C/Cコンポジット)という素材を使用して おり、炭素は酸化されやすいので表面に炭化ケイ素という物質をコーティングしてあり、この炭化ケイ素が明灰色。

   北半球で夏が暑いのは、地面に対する太陽の光の照射角度が徐々に高くなり、熱の蓄積によって地表温度が徐々に上昇するから。夜、気温が低くなるのは 地面に対する太陽光の入射角度が低くなるとともに太陽光がなくなり、夜に晴れていると地上からの熱が宇宙空間に放射されるから。 明け方が一番気温が低いのは、太陽光によって水分の蒸発が起こり、水の蒸発によって周りのエネルギーを奪うから。

4 熱対流>

  水を温めると、暖かい水の密度が小さくなって、冷たい水は重力によって下に沈む。(お風呂も、混ぜないと底は冷たい)これと同じで暖かい空気は上にたまる。これを巨視的に見れは 「熱が運ばれている」ということであり、海流も台風も雲も、対流、風も熱の移動の結果として起こる。

5 太陽光の輻射熱による建物の加熱>

   太陽光によって建物は東面と西面が過熱され、東京では外壁タイル面が最高温度60℃以上。ヒートアイランド問題なら問題(=都市全体の温度上昇)だが、人間が触らない限り、外壁がいくら暑くなっても問題ではない。 省エネの観点からいうと建物内部が最高何度になるかが問題。断熱性能が上がれば、建物内部に熱が侵入しないので太陽エネルギーが反射する以外は、外壁素材への熱の吸収によって外壁に熱が溜まるので、外壁温度はむしろ上昇するが、建物の外壁温度は風、雨、湿度によって放熱状態によって左右される。建物に侵入する赤外線は3ミクロン以上の波長の赤外線。よって3ミクロン以上の赤外線対策が有効。

6 金属による光、赤外線の反射>

  ハロゲンランプ、灯油ストーブの周辺に金属が使用しているのは赤外線を反射するため。金属中の自由電子が 原因となって光線を反射するために、金属特有の光り方をする。  ハロゲンランプでの光照射によってで、金属の温度上昇を測定するのは止めた方がいい。理由は、金属の光反射率が高く、測定対象の金属がランプに近い場所にある時は鏡状態となってハロゲンランプの赤外線が、ランプに戻ってきて赤外線の無限ループが出来て、ランプが冷却されずに高温になってすぐ壊れる。

   光(ガンマ線〜紫外線〜可視光〜赤外線〜マイクロ波〜長波)は、電磁波の一種なので電界と磁界が振動しながら伝わっていく。金属中に光が入ると金属表面に振動電界が生成し、この振動電界によって金属内の自由電子が集団的に動き、電子はマイナスの電荷を持っているので、電位の高い方に引き寄せられる。その結果、電位の高い方にマイナスの電荷がかかり、電位の低い方にプラスの電荷がかかって電気分極が起こる。これは外から金属に光の電界が進入しようとすると、逆向きの電気分極が生じて電界を遮蔽して、その結果、光は金属内に入れないことになる。光が入れないということは、光が全部反射されてしまう事を意味する。

大気中において立てたアルミニウム板の片側から、赤外線が照射された時の熱の移動状況>

  赤外線が片側からアルミニウム表面に照射されると、大部分は、照射された側(アルミ表部分)で反射される。赤外線の一部はアルミニウムの赤外線の吸収(吸収率自体はとても低い)によって熱に変わり、アルミ板の温度が上昇する。アルミ内で発生した熱は、伝熱によってアルミ板全面及び裏面の温度が上昇すると同時に、アルミ全面部表面の大気が加熱されて対流によって放熱される。一方、アルミ板裏面に到達した熱は、アルミ板裏側表面の大気の対流によって放熱する。さらに、アルミ裏面での高温はアルミニウムの赤外線放射率はとても低いので、赤外線にはほとんど変換されず、その結果、アルミ板裏側から2cm程度離れた場所では、赤外線の放出量が少ないので、ほとんど温度上昇はない。ただし、アルミ板裏側の温度は確実に上昇しているので、直接触らないこと。 この現象は、アルミ鍋で、お湯を沸かして、アルミ鍋に手を近づけてみると、鍋表面の1cmぐらいまで温度を感じないことで、すぐ理解できる。しかし、決してナベに直接触らないこと。アルミニウムは熱伝導性がとてもいいので、手で触ると確実にヤケドする。

 

7 赤外線の発見の経緯>

  赤外線も光の一種なので、屈折によって入射方向を変化させることが出来る。もともと赤外線が発見されたのも、プリズムで光を屈折させて含まれる色を研究中に、色の出るスクリーン近くに、たまたま置いていた温度計の温度が上昇したことで発見された。「赤色よりも外の領域でまだ目に見えない光線がある」という意味で赤外線。

8 アルミ蒸着シート、アルミ箔(アルミホイル、アルミフォイル)、アルミ薄板(アルミテープ、アルミ箔テープ)の違い>

  アルミ蒸着シートは 金属アルミニウムを真空蒸着してPETフィルムなどに微細な球状の粒子 としてコーティングしたものであり、フィルムとの接着強度が弱いので、物理的に剥げやすい。また、球状粒子同士に隙間があるので赤外反射性能が落ちる。アルミ箔(アルミホイル、アルミフォイル)は金属アルミを薄く(家庭用フォイルは厚さ15〜20ミクロン)延ばしたもので、「すきま」がないので反射率が高い。 裸のアルミホイルもあるし、アルミホイルをラミネート加工したものもある。台所などで使用するアルミテープは、厚さ100ミクロンで熱伝導性、耐熱性、耐候性に優れる。 実験では、市販の発泡スチロール(厚さ1mmぐらい)付きアルミ蒸着フィルムをハロゲンライトで1時間加熱した結果、表のアルミ面と裏面の発泡スチロール面では温度差は1−2℃ぐらいしかなく、これはアルミ面を人体側にして人間からの赤外線を反射して寒さを防ぐぐらいの効果しかないようだった。一方、アルミテープをアルミ蒸着付き発泡スチロールに張ったものは、表と裏面では、10℃ぐらい違い(裏面の発泡スチロールの温度が上昇しないということが顕著)、アルミテープの強力な赤外線反射が確認された。

  アルミ蒸着層を空間(空間、断熱材)を挟んで、多層にするほど、反射率は向上し、遮熱性能が上がる。アルミ箔は光線(光=電磁波)の通る隙間がないので、携帯電話をアルミホイルで包むと、携帯電磁波が遮断され、 手元の実験では本当に着信しなくなった。

 最近では金属アルミではなく、シリカやアルミナなどを蒸着した透明蒸着フィルム 、「アルミコーティングぷちぷち」というのもある。 

9 太陽光による輻射熱の実測結果>

  実測によると地上のタイル面では日陰は直射日光があたるタイル面に較べて10℃低い。髪は断熱性能の高い空気を含んでいるので、日傘しているのと同じ。むしろ血管が 集中している首筋を、日傘、つばの広い帽子で日陰状態にするほうが効果的。

10 建物は窓から熱が出入りする、ミラーカーテンの威力>

  室内に入る熱のうち、70%程度が窓を通じて出入りする。よって、省エネの第一歩は、窓対策。 実測によると、窓ガラスの内側が、43.6℃の時、ミラーカーテン(アルミ蒸着ポリエステル片織り込みレースカーテン)の内側は36.4℃(温度が7℃下がる ということ)、さらに遮光カーテンも重ねると、遮光カーテンの内側は34.8℃(温度がさらに2℃下がるということ)、これらの結果ら、窓の内側にミラーカーテン+遮光カーテンを設置するだけで、室内温度は9℃上昇が抑えられることになる。単純にいうと、何もしなければ室温が35℃になるところが、26℃に抑えられるということになる。これはクーラーをつけても、省エネで 済むということ。これぐらい、窓経由の遮熱に成功すると、今度は夜に天井(昼間に加熱された瓦)からの輻射熱が気になるようになる。

11 放射式温度計>

  建物の窓などの温度を手軽に測るには、「放射式温度計」が手軽で便利。 ただし、銀色の金属の温度表面を測る時は、黒体テープ、黒体塗料などを塗ってから測定すること。金属アルミなどは、赤外線の反射率が高い、赤外線放射率が極端に低いので、測定者の手の温度を赤外線反射光で測定して26℃ぐらいの数値が出るが、これは正しくはない。「塗装してある金属」などでは、割合、正確な温度が測れるようであるが、これは、塗膜の赤外線放射率が比較的高いためである。

12 新聞紙に包まると暖かい訳>

  市販されている紙には、より白く見せるために、顔料として酸化チタン粉末が混ぜてある。酸化チタンは 光が”直接”当たることによって半導体化して、赤外線反射性能に優れており、紙の繊維は高分子で熱を通しにくい上に、断熱性にすぐれた空気層も含んでいるので、酸化チタン(遮熱)+紙の繊維+空気の断熱層の複合効果によって暖かく感じる。

  冷たい金属を触ると、指がくっつく理由は、材料の熱拡散率に関係しており、仮に金属が-10℃とすると、指との接触点の温度が-8.4℃になり、指表面の水分が氷になって固まるからくっつく。プラスチックが-10℃の場合は、指との接触温度が14℃となるので、指表面の水分は凍らないので、くっつかない。100℃のサウナに入っても、36℃の皮膚表面と高温蒸気の接触温度は36.7℃にしかならないのでやけどはしない。 一方、41℃のお風呂に入ると、体温は39.6℃になる。頭は、額では3℃程度までの冷却が快適で、それ以上冷やすと不快になる。室内の湿度は60%程度までが快適で、70%以上になると体からの放冷がうまくいかずに体温が上昇するために、不快になる。人間は少しづつ、体からの熱を吸い取られる環境(熱容量の問題)の方が快適さを感じる。

13 石膏(せっこう)、しっくい、石灰(せっかい) 、ケイ酸カルシウム(ケイカル板)、炭酸カルシウム、カルシウムサイクル>

  

○石膏(硫酸カルシウム+結晶水、せっこう、ジプサム、アラバスター、石膏ボード(プラスターボード))> 硫酸カルシウム(CaSO4)及び、それに結晶水を含む物質の総称。

  無水石膏> 純粋な硫酸カルシウムを無水石膏と呼び、単純に水を加えても焼石膏、二水石膏にはならない。

  焼石膏(半水石膏)> 焼石膏はCaSO4・0.5H2O

  二水石膏> 焼石膏はCaSO4・0.5H2O、焼石膏(半水石膏)に水を加えるとCaSO4・2H2O(二水せっこう)となって発熱しながら固まる。二水石膏は、160-170℃の加熱によって結晶水がとれて、焼石膏に戻る。

    陶磁器分野では、石膏は、焼石膏は水と混ぜて既存物の型取りに使用したり、二水石膏はスポンジのように適度に吸水性があるので陶磁器原料をミルク状にして鋳込む時の型として使用する。無水石膏は、適度に硬いので、彫刻用の素材(アラバスター)となったり、二水石膏は、結晶水を大量に含むので、防火性に優れ、建築用石膏ボードの原料として使用される。昔、外国で、焼石膏を使用して手の型を取ろうとして、固まった後に手が抜けずに低温やけどで指を全部切断することになった少女がいるので、絶対に生体の型をとることはしないこと。

○炭酸カルシウム系材料(しっくい、炭酸カルシウム系板(炭カル板)、石灰石、大理石、白亜、貝殻)>

 炭酸カルシウムは天然には石灰石、大理石、白亜として産出。石灰石(大理石、白亜)は、古代のサンゴなどが海底に堆積し、硬い岩石となって、その後地上に隆起したもの。ちなみに恐竜のいた白亜紀の「白亜」は、ダロアという人がドーバー海峡にある石灰地層(白亜)から地質年代として「白亜紀」と命名した。石灰石を粉砕したものは「重質炭酸カルシウム」と呼ばれ、天然素材由来なので少量の酸化鉄や酸化マグネシウムなどを含んでいる。一方、人工的に合成したものは「合成炭酸カルシウム」と呼ばれ区別されている。 石灰岩は、土の中で弱酸性になった雨水に溶けやすく、地下水となって空洞のあるところに染み出して、この際に石灰分が大気中のCO2と反応して炭酸カルシウムとなって少しづつ堆積する。これが鍾乳石となり、鍾乳石は100年かかって1cm程度成長するという。

○しっくい> ネット情報では、しっくいは、大気中のCO2を吸収して固まる(しっくい成分の消石灰(水酸化カルシウムがCO2と反応して炭酸カルシウム(大理石 及び水と同じ)になる)とあるけれど、純粋な消石灰は、通常の状態(常温、大気)では”100年 以上かけて徐々に大気中のCO2(CO2は大気中に0.04%しかない)と反応して大部分が炭酸カルシウムになる”話なので、「うのみ」にしないよう。 ただし、消石灰を水と混ぜると、水に消石灰が溶出し、強アルカリ性の水が生成し、そこに弱酸性のCO2が捕捉されて、炭酸カルシウムになり、その際に「消石灰の水酸基が水に変化して、消石灰の炭酸化がスタートする」ので、消石灰に水を加えるという行為は、水を加えて成形しやすくすると同時に、反応スタート剤としての 意味がある。「しっくい」にはノリや繊維が混ざっているので、しっくいを塗った当初、固まるのはノリのおかげで、ポロポロと落ちないのは、繊維が含まれているためであろう。

予備的実験>

 純粋な消石灰(Ca(OH)2)粉末を、そのまま固めて、室温で放置> いっこうに固まらない上に、わざわざ、大気中の少量のCO2(CO2は大気中の0.04%、ちなみに窒素は78%、酸素20%、アルゴン1%)が 、室温では固めた消石灰中に侵入する動機(移動エネルギー)が乏しいので、固まるとしても何年もかかる。

 純粋な消石灰を少量の水で練って固めて放置> 水分があるせいで、空気中のCO2を吸収するせいなのか、翌日でも少しは固まる。

 純粋な消石灰をある程度の水で練ってペースト状にして放置> 水分が多いせいで固まるのに時間はかかるが、均一に固化しそうな雰囲気。  

 

○ケイ酸カルシウム、ケイカル板> ケイ酸(シリカ)を含む珪藻土と消石灰(水酸化カルシウム)を水で混合し、オートクレーブ中で、高温、高圧の状態にすると(常温でプレスしてから、その後70℃ぐらいで加熱してもよいだろう)ケイ酸カルシウム 水和物という物質が生成されて固まる。これの製品版はケイカル板として販売されて おり、実際には破壊強度を高めるために、無害な種類のアスベストや、木くずなどの繊維質のものをまぜて固めてある。 ケイ酸カルシウムは、食品に使用されるなど安全性が高いが、組成に応じて多種類(ゾノトライト、トバモライトなど)のケイ酸カルシウムが存在する。また、酸化カルシウム(CaO)は、大気中では不安定であるので、大気中の水分を吸収して水酸化カルシウム(この現象を消化といい、消石灰の消は、消化された石灰という意味。ちなみに、石灰業界では、CaOは生石灰と呼ぶ)になり、その後、水酸化カルシウムはCO2を吸収して炭酸カルシウムになる。ケイ酸カルシウムは、実験室で高温で合成した直後は酸化物であるが、主にCaOに由来する吸水性があるので、徐々に水酸化物になる。

  石灰(せっかい)石、生石灰、消石灰の関係> 

  石灰石(鍾乳洞の鍾乳石も石灰石で出来ている。)を細かく粉砕したものが重質炭酸カルシウム(CaCO3、炭カル)。

  石灰石を焼いてCO2を飛ばしたものが生石灰(CaO、酸化カルシウム)。

  生石灰に(酸化カルシウムは大気中で不安定なので)水を加えて安定化させたのが消石灰(水酸化カルシウム、Ca(OH)2)。 実際には、酸化カルシウムを大気中で放置すると、大気中の水分を吸って水酸化カルシウム(消石灰)になり、時間の経過とともに大気中のCO2を吸って炭酸カルシウムになる。

  消石灰のスラリー(石灰乳)にCO2を反応させてできたものが軽質炭酸カルシウム(CaCO3)。

参考> 鍾乳石(炭酸カルシウム)が出来るしくみ

  雨は、大気中のCO2を溶かし込んでいる(CO2は低温で水に溶けやすく、これは炭酸ジュースの例でもよく分かる。)ので弱酸性。地上に落下して土にしみこんでも、土中の生き物が出すCO2を取り込んで 、ますます酸性になる。土成分の下にある石灰岩(昔、日本が海の底だった時に、生物の死骸が積層して出来た炭酸カルシウムの層が岩になったもの)は、酸性の水溶液にじわじわと溶ける性質があるので、少しづつ石灰岩の微細な穴が出来る。地下水などで出来た空洞に、石灰岩がとけた水が染み出すと、溶け込んでいるCO2が急激に膨張するので、空洞内に拡散して、石灰成分(カルシウム成分)が炭酸カルシウムになってその場で固まる。 ちなみに、沖縄などは石灰岩に覆われており、土壌が弱アルカリ性なので人間を含む動物の骨の酸化が進まず、何万年も前の人骨が発見されやすい。一方、本州などは土壌が酸性なので、動物の骨は酸化されてバラバラになるので、土に埋まった動物の遺骸は残りにくいとされる。

ポゾラン反応>

水硬性石灰と気硬性石灰、人造石、長七たたき>  

  石灰石は原料によって水との混合によって硬くなる水硬性石灰(原料は珪質石灰石)と大気中のCO2によって硬くなる気硬性石灰(原料は石灰石)がある。日本で生産されている石灰は石灰の純度が高い気硬性石灰のみであり、水だけでは硬化しない。日本で一般に消石灰と呼ばれている気硬性石灰は大気中のCO2によってゆっくりと硬化し、従来はノリでとりあえず固めつつ植物繊維を混ぜて機械的強度を上げて【しっくい】として使用されてきたが、硬化するのに非常に時間がかかるので、現在ではセメントや化学ノリを含めたしっくいなどが使用されているらしい。

人造石、長七たたき> 天然のセメント自体は、古代エジプト時代からあり、日本でもコンクリートが普及するまえには、日本でもマサ土+消石灰+水(海水)を混ぜて、たたいて固めるだけで、現在のセメント並みの強度をもつ、セメント、モルタル、コンクリートとも呼べるような物質が開発されていた。この詳細は、「人造石」とか「長七たたき」という検索キーワードで検索されたし。

 

14  セメントとモルタルとコンクリートの関係>

  セメントは水酸化カルシウム(Ca(OH)2)とケイ酸(SiO2)が水を介して化合物(Ca2SiO4, Ca3SiO5)になったもの。単純にいうとセメントに砂を加えたものがモルタル、セメントに砂と砂利を加えたものがコンクリート。

  【サイディング】と呼ばれる建材には、金属板系とセメント系があり、セメント系のサイディングはセメントに繊維強化分としてアスベスト(人体に有害でない種類のアスベストがある)やワラを混ぜ込んで使用している。繊維分を混ぜるのは、数メートルにもなる大型製品でしなりやすくするため。

  アスベストは基本的にMgOとSiO2の化合物で、これらの化合物を合成する場合には気をつけること。知らない間に合成して、吸ったり、便利な物質だと宣伝する可能性がある。

アルミナセメント> 急速硬化するが、水和物が転化するので長期的には強度が不安定になる。

 

15 天日干しで殺菌できる仕組み>

  太陽の直射日光では強力な紫外線が細菌のDNAを破壊、細菌は細胞数が少ないので人間のように色素を合成して身を守ることができず、殺菌される。(人間は、紫外線を浴びると、紫外線から身を守るためにメラミン色素を作成して、紫外線の影響を最小にする=いわるゆ”ひやけ”、アフリカなど強力な太陽光に長年さらされると、DNA的に変化して黒人(アフロヘアは、ストレートヘアよりも断熱性にすぐれる(空気断熱、発泡スチロールと同じ原理))になり、フィンランドなどで白人が生まれたのは太陽光の絶対量が少ないから?(=紫外線の絶対量が少ない)さらに、赤外線による輻射熱で、条件によってはタンパク質(卵白質ともいう=卵の卵白の事)の固まる60℃以上になるので、タンパク質がゆで卵状態になって死ぬ。(人間のやけどと同じ状態)。

16  酸化チタンは”直接”光をあてないと効果は、ほとんどない>

  二酸化チタンの赤外線反射能力に期待して、二酸化チタンと高分子の白色シリコーンを混ぜて、セラミック裏面に塗布して、ハロゲンランプを当てて、セラミック表面と裏面の温度変化を測定したが、結果は、表面の熱が素通りして、表面と裏面の顕著な温度差は観察されず。この理由としては、酸化チタンは 屈折率(2.7)が高いので、赤外線がよく屈折するのであるが、白色シリコーンなどで混ぜると、酸化チタン粒子表面に、光が届かないため。よって、理想としては、酸化チタン膜の全面コーティングがよい。

  ちなみに、酸化チタン の光触媒効果は、紫外線が粒子に直接あたることで、酸化チタンが半導体化するそうで、酸化チタン粒子、膜に直接光が当たるように工夫しなければ何の役にもたたない。簡易な紫外線チェッカーを利用した経験では、朝一番の光(朝日)ならは、ガラス越しの室内でも、強力な紫外線が届いているようなので、光触媒製品は室内でも少しは機能しているといえる。逆にいうと室内で朝日のあたる部分にある本、プラスチックなどの有機物は劣化するということ。もちろん室外に比べると圧倒的に弱いが。

17  断熱材、赤外線吸収材、赤外線反射材料>

  断熱材> 熱が材料の内部に侵入するのに長時間かかる材料。逆に言うと、断熱材の両端に温度差があっても、長時間たつと同じ温度になるということ。断熱材の反対の材料としては、熱の良導体 金属銀、カーボンナノチューブ、ダイヤモンドなどがある。

  紫外線吸収剤、赤外線吸収剤> 紫外線〜赤外線を吸収して、熱に変換する材料。発生した熱は伝熱、放熱によって除去する。

  紫外線、赤外線反射材料> 紫外線、赤外線を鏡のように反射して、内部への侵入を防ぐもの。金属は自由電子の作用によって、反射。酸化チタン、酸化亜鉛は光が結晶に”直接”当たることによって半導体化(=金属化)することによって光を反射するようになる。

 

18 水の気化作用のメリット、デメリット>

  ミストファン、水うちわ、保水えりまき> 水が蒸発する際に、気化熱で涼しい風を得る仕組み。 湿度の低い日の屋外では水分がどんどん蒸発して有効だが、室内では、徐々に湿度が上昇して、水の気化作用が減り、効果が小さくなる。また、室内の湿度が上昇すると、人間の皮膚からの水分の蒸発が抑えられるので、体内温度が上昇し、蒸し暑くなる。よって、室内では室温を下げるよりも、徹底的に除湿した方が、汗の蒸発によって涼しく感じる。 人間はゆるやかに体温が奪われる状態がここちよく感じるらしい。

  氷の融解熱(氷が溶けるときに周りから奪う熱量)は80cal/g。これは1gの氷が溶けるときに80cal奪うということ。1calは1gの水が1℃上昇or低下する時のエネルギーなので、単純にいうと80グラムの水に1グラムの氷を入れると、80グラムの水の温度が1℃下がるということになる。10グラムの氷なら10℃下がる?

水の気化熱(蒸発熱)は40.8KJ/mol(キロジュール/モル)、20℃の水で、586cal/g(2.46KJ/g) →理屈では、「1gの水の気化熱」で、20℃の586gの水の温度が1℃下がるということ。

19 人間を含めて陸の動物は水蒸気に包まれた空間で暮らしている。

   目には見えないが、大気中には水が水蒸気として存在し、例えば、六畳の空間(面積10m2x高さ2mで、20m3の空間)には気温25℃として飽和水蒸気量が23g/m3なので、湿度100%とすると、部屋の空気中に460gの水が含まれる。汗が蒸発しないので人間が不快と感じる湿度70%とすると、約320gの水が空気中に存在していることになり、自然に汗が蒸発する湿度60%以下にするためには、クーラーで思い切り温度を下げるか(気温20℃で飽和水蒸気量 17.2g/m3なので室温を下げると、蒸気が大気中にいられなくなり、必然的に除湿される)、エアコンよりも低電力の除湿機を併用して湿度を下げた方が、心地よく過ごせるということになる。

20 紫外線

 

   太陽光からの紫外線は大別するとUVA,UVB,UVCの三種類。 UVCは大気層で吸収され地表にはほとんど到達しない。 日焼けや皮膚がんに大きく影響 するとされるUVBは、ほとんど大気層で吸収されるが、最近はオゾン層の破壊によって到達量が増加している。UVAは地表まで到達し、従来は害は少ないとされていたが、最近では皮膚がんの発生に深く関わっている らしい。紫外線は太陽からの直接光だけでなく、空気で散乱した散乱光、地表で散乱した散乱光もある。紫外線は5月が最も強いといわれているが、皮膚がんに関係するとされるUVBに限ると8月が最も多い。また、真冬でも真夏の半分ぐらいは降り注いでおり、冬に2時間外にいると夏の1時間いたのと同じ状態になる らしい。

紫外線の地面の反射率> 砂浜25%、草地、土 10%以下、アスファルト10%、新雪80%。

天気の影響> 晴れ100%、木陰40-50%、曇り60%、雨30%、家の中10%以下(ちなみに窓ガラスも紫外線を透過し、室内のガラスに近いほど紫外線が強く、ガラスを通過した太陽光でも、照らされた部分はけっこうな量の紫外線が検出される)。 室内の畳が時間とともに黄色に変色する、本が黄ばむのも、ガラスを通過した紫外線(直射日光の当たる室内は特に紫外線が強い)の影響だろう。

とりあえず以上。